2013年3月2日土曜日

Fifteen Hounds(感想)

Fifteen Hounds / MUYM

そのうち攻略をちょっとだけ書きたい。

あらすじは3通りの未来から、各五人ずつやってくる。
彼らはそれぞれの未来を存続させる為には、
他の未来を潰すしかないらしい。

分岐した未来は主人公の水島真吾に関係していると言われる為、
彼を巻き込んでサバイバルバトルが開始される。

ザックリ解説するとこんな感じですが、
もっと詳しい内容はサイトの方で見れるので、
そっちを見て貰うとしまして、以下ネタバレ感想。

いくつか思うところはあるものの、
読ませる文章で、グイグイ引きこまれてしまいました。



シナリオ

緊迫感があって面白いです。
好きなキャラも嫌いなキャラも分け隔てなくガンガン死んでいきます。
設定上の時間制限も存在するので、常に行動しなくてはならず、
中だるみを感じさせないような作りになっている。

未来から来た3チームも協力できない理由がちゃんと存在するだけでなく、
リーダーが三者三様なのに、誰も彼も本当にリーダーをしているのが素晴らしい。
というより、商業でも主人公を殺したらまずいので、
わざわざ見逃すシーンとかありますが、そういう違和感を殆ど感じない。

時折、真面目な話の途中で漫才に寄り道してしまう時がありましたが、
ほどほどで戻って来るので、個人的には許容範囲内。

そして殆どのキャラが立っている。
少なくとも『コイツ誰?』みたいなキャラが存在せず、
どっちにも勝って欲しいみたいな気持ちが出てくる。

もちろん、そういう気持ちが出てくれば、
ストーリーにも感情移入しやすくなるわけで。
ED1のイラストを見るシーンでは、
本当に主人公と同じ表情してたんじゃないかな。

とは言いましても、文句が無いというわけでも無く。

真に完結しない物語
ハッキリ言ってしまうと、元凶の高階愛夜について何も語られない。

てっきり最終ルートがあるのかと思ったけど、
何も無かったので、肩透かしを食らった気分でした。

超重要人物で事件の黒幕だとすら言われているのに、
欠片すら触れられないで話が終わってしまうため、
消化不良な感じがするのは否めない。
よく考えれば事態は全く解決どころか好転もしてないわけですし。

あと主人公がチームを転々とするのは趣味が分かれそうですね。
ただ個人的にはルート1に限ってはキャラ紹介の意味を込めて
転々とするのはありだと思ってます。

丁度ルートは3つありますし、3チームで肩入れするには
丁度いいと思う人は割といそうな気はします。
折角キャラも立ってることですし、ずっとくっ付いて
色んな面を見(てキャラ萌えし)たいと思うのが人情ですし。
あとは主人公ですね。
普通なら戦闘に関わらせられるように
直死の魔眼や幻想殺しといった限定カウンターを
持っていたりするものですが、彼にはそれがありません。
常に人質として連れまわされ、超人達の戦闘を見せられるだけです。
その辺は人によって意見が分かれそうですね。
個人的には別に一般人なのは問題ないのですが、
もうちょい感情移入できる主人公像にして欲しかったと思うのがしばし。
この辺は個人的意見になりますが、この手の主人公というのは
プレイヤーの分身、もしくは主人公と同じ目線を持つことにより、
彼の気持ちを通すか理解して物語を見る役目を持つと思っておりまして。
そこを行くと彼の気持ちはちょっと分からない。
あれだけ元恋人を邪険にしたにも関わらず、
死んだから命を懸けて敵討ちの思考も分からないですし、
back to the futureみたいに地雷ワードもありえないですし、
しかもそれが、まったく話に生かされてるワケでもない。

更に未来人は一応でも主人公を助けているにも関わらず、
主人公からは特に何の感慨も沸かないような態度なうえ、
未来人を殺したいの殺したくないのかもハッキリしない。
彼の行動は見ていてイライラします。

シナリオに引き込まれたのは、彼以外のキャラ立てと
ストーリーの面白さだったのが救いでした。
スタッフ曰く、彼は主人公じゃなく脇役と言ってましたが、
その割には選択肢で主人公っぽい選択をしないと
バッドエンドに入ったりとか、正直彼の扱いはよく分からなかった。

あと個人的なことで
暦が好意を持つプロセスがサッパリ分からなかった。
例え帰れなくなっても
いつまでも一緒にはいられるわけではないのだし。

絵について

一言で言うと、商業には負けるけど、
同人としてはかなり良く出来てます。
絵師さんが複数いるみたいですが、
違和感を全く感じませんでした。
あえて言うなら、一部等身をあわせて欲しかったというのがあります。
クリスは小柄って言われてCG見るまで背が高いと思ってましたし、
左京は小さすぎのような気も。
逆に言うとそのくらいしか違和感を感じるところが無かったです。

またデフォ絵は良く出来ているんだけど、
通常の立ち絵と一緒に表示されると違和感が凄いので、
イベントCGにするか、デフォ絵が表示されてる時は
全部デフォ絵にするとか、統一感が欲しい。

イベントCGは多少違和感を感じる絵がありますが、
個人的にはただ立ってる絵があまり無く、
動きのある絵、珍しい構図の絵を
見せようとしてるのが素晴らしかったです。
商業として見るなら、色々言われそうですが、
同人として見るなら、素晴らしいです。


音楽は神曲というのは無いですが、
割と印象的な音楽が多いです。
OPテーマはメロディラインが雰囲気にはあってましたが、
恋の歌なのは、ちょっと違う気がするような、しないような。

システムについて

個人的にはもうちょっと改善して欲しいです。
特に既読スキップ。

違う選択肢選ぶだけで、同じ場面、同じ文章を
長々読まされるのは、いくら面白くても苦痛です。

ルート2、3で『スキップしますか?』の選択肢があったので、
『いいえ』を選択したら、ガッツリ既読無効になったりとか。
ルート1ラストの『付いて行く/車に残る』もそうだし、
ルート3で髪型変えたら、以降全て既読無効は流石に辛かった。

Ctrlキーでスキップ出来るのが救いですが、
それならもう少し充実させてくれと。

そんなもんだから何かあるのかと思ってしまい、
どんどんセーブするから、結局データ数も足りなく感じてしまいますし。
セーブ数も2倍くらい欲しかったです。

また、OPデモはルート1に限ってはスキップ出来ないし、
スタッフロールはスキップ不可能なので、延々見ないといけない。
ルート2、3では病院の戦闘とホテルの説明をスキップしますか?と
聞いくらいなら、他のところでもやって欲しかった。


最後にミニゲーム

実はファルベの迷宮もやっているクチなのですが、
コイツら強すぎないですか。
左京に至っては4~15秒も思考(=CPUが計算)していて、
プレイヤーに勝たせる気ないだろとか。

それで、ただ強いだけで済むならいいですが、
3勝しないとCGが開放されないというのはキツイです。

結局フリゲのオセロ(通称:先生)をDLして、なんとか勝ちましたが
3勝以外にも○戦以上、とかして欲しかった。

もしくは3回負けるとレベルが1段階下がっていって
最終的には全員イージー以上に弱くなるような、そのくらいの救済は欲しい。
ファルベの迷宮もそうですが、一般人には強すぎるんですよ。。。


そんな感じで同人としてなら、かなり面白い部類に入ります。
次はキャラ雑感。

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